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海老名総合病院 脳神経外科
当院の救急医療の一翼を担う脳神経外科は、24時間365日、チーム医療で地域の「脳」を守っています。血管内治療・開頭手術の両方に精通した技術と、チーム力の高さについて聞きました。
―この病院の特徴や地域における役割を教えてください。
小林
当院は神奈川県の県央地区にある高度急性期病院であり、海老名市、座間市、綾瀬市の3市を主たる医療圏とした三次救急を含む救急医療を担う地域の中核病院です。その中でも特に心臓病、脳血管障害といった血管領域に大きな強みがあり、救命救急センターには18 人の救急医が在籍。救急車の受け入れ台数は2年連続で1万600台になります。忙しい毎日ですが、比較的若いスタッフが多く、非常に活気のある病院だと思っています。
阿南
僕はこの病院で勤務して今年で4年目になるのですが、総合病院として救急科をはじめとする各科が充実していることと、診療科間の垣根が低く、いろいろな診療科の先生に気軽に相談しやすいところが当院の特徴だと感じています。各科に信頼できる先生がいて、合併症などにも速やかに対応してもらえるので、非常に働きやすいですね。また、業務の整理がなされ、より外科治療に専念できる環境が整っているので、多数の症例をこなすことができ、学ぶ機会が多いのも強みです。
―脳神経外科ではどのような医療に取り組んでいますか。
小林
もともとこの地域には入院医療を提供できる脳神経外科がなく、2008年に私が脳神経外科を立ち上げました。2008年から今日に至るまでの間に、脳血管障害の治療の変遷や施設基準、働き方改革などもあった中で、私が最も力を入れたのが、質の高い診療ができるスタッフを一定数確保してチームを作りあげることでした。現在は、24時間365日、患者さんをほぼお断りすることなく受け入れており、着任当初の目標を達成されつつあるのかなと思っています。
阿南
当科では、年間約1000人の患者さんを受け入れており、そのうちの7割が脳卒中の患者さんになります。24時間365日、血栓回収療法に対応できるコアPSCであり、脳卒中を中心的に診られる体制が構築されていると同時に三次救急施設であることから、増えつつある外傷についても今後、強化をしていく必要を感じています。
小林
年々、脳卒中の患者さんを中心に血管内治療の症例も増えてきていますが、当科では、より良い治療を提供するため、開頭手術・血管内治療の両方の技術を持った医師を育成していくことを責務としています。今後、開頭手術ができる施設は減っていくかもしれませんが、当院では、サブスペシャリティーの取得も含めて、どこに出ても一人前としてやっていける技術を持った術者に育てることにも注力しています。
また、病院としては血管障害や脳腫瘍のほか、三叉神経痛や顔面神経痛といった機能的な疾患も含めて広く対応していくことが求められています。海老名市、座間市、綾瀬市で入院設備を持つ脳神経外科は当院だけになるため、地域の患者さんのために私たちが幅広い疾患の診療にあたっていきたいです。
また、病院としては血管障害や脳腫瘍のほか、三叉神経痛や顔面神経痛といった機能的な疾患も含めて広く対応していくことが求められています。海老名市、座間市、綾瀬市で入院設備を持つ脳神経外科は当院だけになるため、地域の患者さんのために私たちが幅広い疾患の診療にあたっていきたいです。
―先生方から穏やかな様子が見て取れますが、脳神経外科の雰囲気はいかがですか。
小林
仲良くやっていると思いますよ。今のチームは全員が脳神経外科専門医で、私と阿南先生も含めて、東京女子医科大学から派遣されたメンバーをメインに、うまく仕事の分担をしながら日々の診療を行っています。脳神経外科は、一人前になるのに時間もかかるため、どうしても大学に所属して教育を受ける必要性があります。ただ、365日体制での診療かつ働き方改革で一人当たりの就労時間が限られる状況では、一つの大学からの派遣で人数を確保するのは難しいもの。当科でも、この地域で活躍できる脳神経外科医を育てていくため、大学の垣根を超えてチームを作っていければと考えています。
阿南
一つの医局からの派遣と聞くと閉鎖的なイメージがあるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。今は小林院長のご尽力もあり、東海大学の神経内科から女性の医師が加わり、脳神経センターとして活動しています。どうしても局所的に忙しい時期があるのですが、適切な休息も大切なため、必要に応じて、互いに協力して休みの時間を長く取るなど、風通しの良さも当科の良さです。
小林
やはり女性の医師も増えているので、ワークライフバランスを考え診療体制を工夫しています。これは、僕ら男性陣も同じこと。オンコールや当直などその日の業務を割り振りして、それ以外の人はパッと帰る。それをうまくできるのは風通しの良さやお互いにコミュニケーションが取れているからこそだと思います。その分、重視しているのが効率性で、救急科や総合診療科といった横断的に患者さんを診る診療科と連携することで、私たちは脳の診療に専念できています。症例数も数多く経験できることでモチベーションを保ちやすく、忙しくてもやりがいを持って日々を過ごせています。
―脳神経外科ではどのような人材を求めていますか。また、キャリア形成に関するサポートはありますか。
小林
脳の治療はチーム医療です。一人でどんなに頑張ってもできることはそれほど多くありませんが、チームとしてうまく機能すると非常に大きな力を発揮できることを、私もここでチームを作り上げていく段階で痛感しました。ですから、チームに溶け込み一緒に取り組める人であれば、技量や、学年が若いからとか性別がということは一切ないので、同じ気持ちで地域医療を支えてくれる人に来てほしいですね。
キャリア形成の面では、当院でサブスペシャリティーの資格を取得した医師も多く、チームの一員として着実に業務に取り組めば、資格取得はほぼ担保される環境です。また、病院としても資格取得を支援する体制が整い、血管障害関連の症例数も十分ですので、必要な経験を積み重ねていっていただきたいと思います。
キャリア形成の面では、当院でサブスペシャリティーの資格を取得した医師も多く、チームの一員として着実に業務に取り組めば、資格取得はほぼ担保される環境です。また、病院としても資格取得を支援する体制が整い、血管障害関連の症例数も十分ですので、必要な経験を積み重ねていっていただきたいと思います。
阿南
僕もチーム医療ができることがとても大切だと思います。大前提としては、脳神経が好きな先生、神経疾患に興味を持って何か新しいことができないかという目を持っている先生に来てほしいです。症例が多く学ぶ機会はたくさんあると思いますが、その中でもやはりチームの一員として活躍できる。お互いに成長できるチームを育てていけるような方に来ていただけるとうれしいです。当科での経験をもとに、資格だけでは表せない技術や知見を伝承していく一人になっていただきたいです。
―最後に、このサイトをご覧の方にメッセージをお願いします。
小林
このサイトを見て興味を持っていただいた方は、ぜひ、気軽にお問い合わせください。実際に話してみないと分からないこともたくさんあると思うので、一度会って話をしましょう。忙しくても、みんなで気持ちよく働いて楽しくやれることが一番です。当院では、医局や学閥にかかわらず、地域から必要とされる医療こそが私たちの使命であるということを理解し、一緒に地域医療に取り組める方に来ていただければと思います。
阿南
当院は地域の中核病院であり、近年は患者数も増加しています。多様な症例にともに向き合い、さまざまな機会を生かして成長していただきたいです。僕がこの病院に着任したのは2021年4月でコロナ禍の真っ最中でした。当初、当院では新型コロナウイルス感染症は一切診ないという方針でしたが、状況の変化を受けて方針を転換し、旧病院をコロナ病棟へと再編。神奈川だけでなく東京からの患者さんも受け入れました。このように時代が必要とすることにフレキシブルに対応する姿勢や、救急は断らない体制が病院の文化に根付いています。自らの役割を見つけチームの一員として一緒にやっていける人こそ、当院の風土にあっているのではないかと思っています。